今日もまた「オヤジの話」です。
他人の父親の話なんて面白くないよね?
ごみんなさいね、今日で一旦終りにするから・・・
3連休の最初の金曜日…20日だね、
病室の扉を開けてオヤジの顔を見てビックリっっ
・・・ダメだ、こりゃ・・・
眼はうつろで、口は開きっ放し、
身体全体でゼイゼイ呼吸をしています。
おかんっっ、いつからこうなの??
「2、3日前から・・・」
何故もっと早く言わなかったんだーっっっ
急遽その日の夜から病院へ泊りこむことにしました。
一度家に戻って準備をし、弟に連絡すると
「俺もすぐ病院へ行くから」
おかんは「疲れた、疲れた」で役に立たないので
弟と交代でオヤジに付き添うことにしました。
おかん、どういうワケか状況が理解できていないらしい・・・
そこまでボケちまったんか?
激しい呼吸は相変わらずです。
でも胸が動いている内はまだ大丈夫なんだって。
口だけで息をして顔全体が動き出すと危ないらしいです。
聴覚と感覚は最後まで残ると聞いたので
ずっと手を握りながら歌ったり話しかけたりしていました。
無事に土曜日の朝を迎え、
引き続き交替で休憩をとりながらオヤジを見守り続けました。
オイラが何度目かの休憩を終えて病室に戻った夕方6時、
オヤジの呼吸が急に変わりました。
出たっっ、恐れていた「口だけ呼吸」です。
まるで陸に上がった魚が口をパクパクさせるように
酸素を追いかけるかのように顎を上下させて
口だけで息をしています。
肺まで息が届いていないようで、見ているだけで苦しそうです。
でもね、先生曰く「苦しいところを通り過ぎちゃっているから
見た目ほど苦しくないんだよ」
・・・誰に聞いたん???
夜9時、急に息と息の間隔が広がりました。
そんなとき、握っても反応がなかった父の手がいきなり動き
オイラの手を振りほどいて胸の上へ・・・
掌がチラッと動いてまた止まりました。
「今の、なに? 何がしてほしいの??」
もちろん返事は返って来ません。
後で判ったんですけどね、これ「バイバイ」だったんです。
いつも見舞いの帰り際、
オヤジに向かって「バイバイ」って手を振ると
ちょっと寂しそうな顔をして「バイバイ」ってしてくれていたんです。
「永遠のバイバイ」をしてくれていたのに
オイラ、気が付きませんでした。
9時を過ぎてすぐ、とうとう息が途切れ途切れになってきました。
オヤジっっ、おかんも弟もここに居るよ。
しっかりしろっっ、オヤジ~っっっ
耳元で呼びかけると「フッ」っと喉仏が上下し、
1回、また1回と息を続けてくれました。
「オヤジーっっっ」
何回目かの呼びかけに「フッ」と動いた喉仏が
喉の途中で引っかかったように動かなくなり、
最後の息は戻ってくることができず、
・・・逝ってしまいました・・・
「坊主は呼ぶな」、「葬式はするな」、「墓は作るな」なので、
葬儀屋さんにお願いしてオヤジを我が家へ連れて帰りました。
一般で言う「お通夜」を我が家で過ごすことにしたんです。
オヤジの自慢の家、大好きな我が家で
2晩過ごすことができました。
良かったね、オヤジ。
ま、良かったっちゃあ良かったんですけど、
玄関から一番近い座敷間であるオイラの部屋で、
オイラの布団に寝ちゃったんだな。
それもドライアイスをいっっぱい抱えて・・・
この布団、今後も使いたいんですけど・・・
それにしても、オヤジ、
スリムになったせいか顔がシャープになって
生前より全然「男前」になったのぉ~
いや、ホント、すっごいいい顔でした。
オヤジに部屋を占領されちゃったので
オイラは居間のソファで2晩寝ました。
ソファから何度も落ちて、しこたま腰を打ちました・・・
月曜日の今日、我が家で納棺し、出棺しました。
弟の嫁さんとチビッ子ギャング二人組も同席し、
6人だけの家族葬です。
いつもやんちゃな二人組は
「怖いおじいちゃん」が動かなくなって余計に怖かったようです。
今、小さな箱に入ってしまったオヤジが居間にいます。
たった2晩だったけど、
オイラの部屋に寝ていたオヤジが居なくなって
やっと今頃オヤジの死を実感しています。
我が家で過ごした「お通夜」は正解だったかもしれない・・・
好きな時に好きなだけオヤジに語りかけることができたし、
自分自身もゆっくり出来たからね。
オイラの時もこんな風にしてもらおうっと。
49日に当たる頃、海で散骨する予定です。